KUSABI通信 07年夏号
残暑お見舞い申し上げます。「KUSABI通信」07年夏号をお届けする予定が大分遅れてしまいました。
夏休みもあとわずかです。元気で秋を迎えたいですね。
オール電化、基礎知識
地震で柏崎原子力発電所に被害が発生したニュースは、電気の安定供給に不安を感じさせましたが、地震被害のインフラの中でも復旧の早さは電気が一番でしたね。家庭用熱源は、いろいろありますが、キッチンのリフォームや新築を考える時に、オール電化を考えるご家庭は多いのではないでしょうか。オール電化の要はやはりキッチンの熱源。ガスと電気はコスト的にはほぼ同じになってきましたので、それぞれの家庭に合った熱源はどちらか、ということがポイントです。電気の特徴はなんと言っても裸火がないことで、高齢者世帯の安全対策として採用する方が多いのも頷けます。ただし、使用する鍋や薬缶をIHクッキングヒーター用に揃えなければなりません。「どんな金属鍋でも本格調理」とコマーシャルでやっているように使える鍋類は確かに増えました。しかし、底が平らでないといけませんし、鍋と材料の総重量が軽すぎると調理中に鍋が動いて危険だという注意が国民生活センターから発表されています。これらを考えると、ある程度重量のある鍋類が安心ということになりますが、導入を検討する時はこれら調理器具の重さも実際に試して見られることをお勧めします。高齢の女性には鍋の重さが負担になる場合もあるので注意が必要です。
アスベストって、知ってますか?
アスベストという名前は、皆さんご存知ですか。石綿とも呼ばれる天然の鉱物繊維で、耐熱性、耐薬品性、絶縁性等の特徴があり安価で加工がし易い為に、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品などに多用されていました。しかし、その繊維が極めて細いので、大気中に飛散し吸い込むことによって健康を害することが問題になっています。これらと関わる仕事を長年続けていた方達や工場の近くに居住していた方達に、石綿肺、肺がん、中皮腫などの病気が発生していることも記憶に新しいでしょう。
このアスベストを建設資材として見た場合、実に様々な形で身の回りに今なお存在しています。そこで、もう一度きちんと確認しておきましょう。
1.吹き付けアスベスト
吸音や断熱の為に、アスベストとセメントに水を加えて吹き付けたもので、ビルの機械室、駐車場、学校や体育館の天井などに多く使用されていましたが、飛散する可能性が高い為、昭和50年に禁止され順次撤去されつつあります。
2.吹き付けロックウール
ロックウールとは、玄武岩や天然鉱物を高温の炉で溶かし、遠心力で繊維状にしたものですが、@の吹き付けアスベストが禁止になった後、このロックウールの吹き付け材が使用されました。これに、アスベストを混入したことが問題なのですが昭和55年頃まで使用されました。吹き付けアスベストと同じような箇所に使われましたが、飛散の可能性がある為、撤去する必要があります。
3.アスベスト成形板
これが我々の身近に一番多く存在するアスベスト含有建材です。ただし、アスベストをセメントで固めて板状にしているので、飛散する心配はありませんが、切断したり、物をぶつけて破損したりすると小口が崩れて飛散する可能性がでてきます。一般的な使用箇所は、石綿板が台所や浴室や外部の軒天井に使用されているケースが多くペンキ仕上げが多いようです。また、スレート瓦という屋根材にも含まれていました。従って、平常時は心配ありませんが、解体時や傷をつけた時には、気をつけてください。この他にも床材のPタイルや多くの建材に微量に含まれていましたが、アスベストを含む建材は平成16年10月に製造禁止になり、それ以降はアスベストは含まれていません。しかし、それ以前の建材が残っていることは確かですから、きちんと認識しておく必要はあります。
建築基準法講座
「建築物の面積」
テレビの住宅番組などで、建坪はいくら?という曖昧な表現を見かけます。建築物の面積は、建築物の形を上から見下ろした投影面積の建築面積と各階の床面積を合計した延床面積の2種類の使い方が正しい使い方です。そして、これらを敷地面積に対する割合で表現したのが建蔽率や容積率です。あなたの、お住まいは、どの位ですか。
「建築物の高さ」
自宅のお隣の住宅が、建て替えを計画。基礎が出来て、棟上げが済んで隣家の形がはっきりしたところで、その高さにびっくりする方が増えています。それぞれの街では、都市計画で建蔽率や容積率と同時に、高さ制限もきめられています。住宅地ほど厳しく、商業地になれば高さ制限は緩やかになります。普段の生活では、関係ないと思いがちですが、自分達の環境を守る為にも、関心をもっておきたいですね。