KUSABI通信 07年春号

 こんにちは、お元気ですか。「KUSABI通信」07年春号をお届けします。 スミレやタンポポも咲き始め、沈丁花の香りが漂う今日この頃です。冬が暖かかったので、いつものようにやっと春が来たという感激は薄いですが、うきうきしてきますね。花の香りは、心地よいですが、街には嫌なにおいも一杯!!ごみの臭いや、化学物質の臭いなど、原因が分からない臭いも沢山あります。科学の発達した今日でも、究極は人間の鼻がたよりで、臭気判定士という職業があることご存知でしたか。自分の鼻だけが頼りという、難しい仕事のようです。

訪問販売のリフォーム業者にご注意!

外壁や屋根の塗り替えや、耐震補強など、訪問販売のリフォーム業者が、あちこちの住宅を訪問しています。春になって、外壁の汚れが気になっていたところに、タイミングよく現れて「近所で仕事をしているから、安くやりますよ。」なんて言われると、心が動きませんか。

 うっかり契約してしまっても8日間の 間だったらクーリングオフができます。悪質な業者は、契約した次の日から工事に入ったりするので、ダメだと思わないでください。たとえ、工事をやってしまっても、8日間のクーリングオフは可能。「元に戻してください。」と要求できます。だから、良質な業者は、8日間は工事に入らないことも多いようですが、リフォームするときは、信頼できるところで、じっくり検討してから実施することが間違いないようです。

住宅用火災警報器の取り付けを義務化する法令がスタートしています!

 近年、住宅火災による死傷者数は増加する一方です。消防庁のデータによれば、その6割が65才以上の高齢者で、全体の6割程度が逃げ遅れによる死亡となっています。火災の発生を早くに発見できていれば助かったというケースも多いことから、火災警報器の設置が段階的に義務付けになっており、新築住宅のみ既にスタートしています。

 では、住宅用火災警報器とは、どんなものでしょうか。天井や壁に、簡単に取り付けられ既存住宅用には電池式のものが開発されています。火災を感知する方法としては寝室、階段などに適した煙に反応するものと、台所に適した熱に反応するものがあり、警報音や音声で火災を知らせる仕組みになっています。             
価格は1個6千円前後からありますが、購入する時は、「NSマーク」のついた商品を選ぶのがポイントです。消防署員を装って、不正な価格で売りつけようとする訪問販売も出現しているので注意が必要です。ちなみに、これもまた、クーリングオフの対象になります。 住宅用火災警報器相談室 電話0120-565-911

 ストレスの多い世の中です。自分自身を見つめたり、癒しが欲しくなりますね。
旅に出ることもいいですが、毎日の生活の中でも考え方次第で「家」がそのような「場」になるのではないでしょうか。老建築家が、そんな「場」について思うままに書き綴ったエッセイをご紹介します。
建築関係の書籍ですが、一度手に取ってみてはいかがですか。

お薦めの一冊!「屋根裏のミニ書斎」(芦原義信 著)をご紹介します!

 大都会のこの喧噪と雑踏と汚濁のなかで、毎日めまぐるしく働いていると、一日一回でよいから静かな落ち着いた自分だけの空間のなかで過ごしたいとつくづく思うことがある。それでは雑踏をはなれた山の中へはいればよいかというと、かならずしもそれだけでよいというものでもない。パーソナルな空間というものは、広々とした孤独な自然のなかにあるのではなく、蛸つぼのように狭いながらも充実した部屋のなかにあることが多い。

 私は、国際線のジェット機がたまらなく好きである。夜、羽田空港を飛びたって、ひとりきり出発のどよめきも終り、やがて天井灯も消え、深々と椅子にもたれながら読書灯をつけたとき、出発前の忙しさからの解放感や、これからの旅行の期待やらで充実したパーソナルな空間…。特急の寝台車も素晴らしい。カーテンをしめ、身のまわりをかたづけて清潔なシーツの中にはいり、枕もとの読書灯で本を読むパーソナルな空間も好きである。

 ものを書いたり、考えたりする人々でなくても、安らかな居間、落ち着いた書斎のようなパーソナルな空間はぜひとも必要であろう。しかしながら、建築的に雰囲気のある空間をつくりだすことはなかなか難しいようである。そこで、私のいくつかの経験から、二、三のポイントについて申し述べてご参考に供したいと思う。

まず、第一のポイントは照明である。……中略。

 ここに述べてきた「小さな空間」とは、自己をじっと見つめる契機のことであり、人間形成と深いかかわりあいがあると思われる。ひとりになりたい、ときには旅にでて遠い見知らぬ国に行きたい……ということにも関係があるのである。

人間が、「小さな空間」に入りたいと思うことは、胎内復帰やヨナ・コンプレックスとの関係で心理学的に説明できるといわれているが、それはそれとして、明日の激しい活動にそなえるために、いわゆる狭い空間ではなく、ここにいう「小さな空間」をもつことは、決して無意味であるとは思われないのである。  (本文抜粋)     

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